2009年からはじまる２つのコスト削減とWDEのプログラム | Web Directions East

2009年からはじまる２つのコスト削減とWDEのプログラム

• In: ブログ
• By: Kikuchi
• October 3, 2009

2008年、秋に米国ではじまった金融危機は不況を招き、日本のあらゆる産業へ打撃を与えた。ウェブ業界も例外でもない。多くの企業はコストの削減を余儀なくされた。しかし、いつの時代も不況の中から新しい手法が生まれてくるものである。そして、この不況で出現してきたのは、高効率ワークフローとウェブサイトパフォーマンスアップによるコスト圧縮という２つの手法だ。

高効率ワークフローによるコスト削減

WDE09のスピーカーAndy Clarkeも講演で具体的に触れるが、彼らは、Photoshop, Illustrator, Fireworksで作成した画像モックをクライアントへ提示しない。

完成版を画像で提示するワークフローは、ロールオーバー効果やドラッグ&ドロップ動作をクライントの想像力にゆだねる。また、ブラウザー間での細かな差異や、マルチデバイスで差異がないことをクライアントに思い込ませてしまう。

結果、ロールオーバーのエフェクトやブラウザの差異、特にIEと他のモダンブラウザとの差異、マルチデバイスの差異の改善に時間を浪費する。このコストは、今までクライアントや、制作者の労働時間などによって吸収することができていたが、2008年以降、このようなことは企業の経営効率を落としてしまう。

クライアントが、このワークフローを理解しないと考える制作者も多いが、これは制作者側のクライアントへの教育や説明の責任の欠如に起因する事が多い。クライアントへセミナーを行うこともコストを削減することにつながる。

ウェブサイトパフォーマンスアップによるコスト削減

コスト削減の、もう１つのトレンドとしてウェブサイトのパフォーマンスアップがあげられる。2009年以前でもウェブサイトのパフォーマンスの向上がなかったわけではないが、金融危機以降は流れが加速した。画像の最適化からはじまり、httpリクエストの削減、CSS／HTML／JSファイルの圧縮など、ウェブ制作のなかでは今や常識となってきている。

ウェブサイトのパフォーマンスを向上させる手法については、Web Directions EastがASCII.jpに寄稿した『30分でできる！Webサイトを高速化する6大原則』を参考にしてほしい。

今回来日するNicole Sullivan （ニコール・サリバン）は、ウェブサイトパフォーマンスアップのプロフェッショナル。画像の最適化、httpリクエストの削減、ファイルの圧縮についてセッションとワークショップを行う。特に24時間以内に複雑なレイアウトを行うOOCSSとよばれるオブジェクト指向のCSSは、彼女自身がJavaのプログラマーであることを活かして、つくられたフレームワークだ。

WDEでは、ウェブサイトを制作する上で次に必要になる技術や、それを運用するためのコンセプトを説明する。あたらしいコスト削減の方法を身につけることによって、他との差別化をおこなうことができる。

Andy Clarke（アンディ・クラーク）『壁を壊せ』

Nicole Sullivan（ニコール・サリバン）『高速ウェブアプリのためのCSSパフォーマンス』

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